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有秋台医院|千葉県市原市の産婦人科

15 MAY
2024

食物アレルギーの検査について

#5. よくあるご質問#3. 小児科診療案内

まずはじめに知っておいてほしいこと。

乳児発症食物アレルギーについて、乳児期の湿疹をしっかりとコントロールすることが大事です。

食物アレルギーのリスク因子として、
・食物アレルギーの発症リスク因子として、家族歴、遺伝的要因、皮膚バリア機能、日光・ビタミンDなどが報告されているが、なかでも乳児のアトピー性皮膚炎の存在がとくに重要である、
・アトピー性皮膚炎のある児は健常児と比較して食物に感作されやすい
・生後1-2ヶ月の湿疹を有する児は食物アレルギーを発症しやすい  ということなどが、報告されているからです。

離乳食開始前には、湿疹発症早期から治療を開始し、速やかに湿疹をコントロールすることが大事です。

さて、

一般的にアレルギーの検査として認知されている血中抗原特異的 IgE 検査については、
・抗原特異的 IgE抗体陽性(=感作されていることを示す)と食物アレルギー症状が出現することとはかならずしも一致しないこともあります。

したがって、食物アレルギーの診断は、以下の図のような流れでおこないます(あくまで血液検査は診断の手段の一部です)。

そして、管理・治療の原則は正しい診断に基づいた最小限の原因食物の除去です。

必要最小限の除去とは
1)食べると症状が誘発される食べ物だけを除去する。
2)原因食物でも、症状が誘発されない ”食べられる範囲” までは食べることができる。 ということであり、

 ・”念の為”、”心配だから” といって、必要異常に除去する食べ物を増やさない。
 ・検査から原因と疑われ除去している場合には、必要に応じて経口負荷試験を実施し、診断を確定する。
 ・”食べられる範囲” の量を除去する必要はなく、むしろ食べられる範囲までは積極的に望ましいと指導することが望ましいとされています。

なぜならば、
・不必要な除去は栄養をとることが難しくなる場合があること、
・食物除去を必要最低限にし、可能な範囲で原因食物を接種することで、
 鶏卵・牛乳・小麦・大豆などが原因の乳幼児期の食物アレルギーは、耐性獲得する可能性が高いからです。

当院ではこの様な方針に基づき、必要に応じて小児アレルギーの専門の先生と相談しながら診断、治療にあたらせていただきます。

有秋台医院 院長 鶴岡信栄

**この記事は厚生労働科学研究班による 食物アレルギー診療の手引2023 をもとに制作しました。

**参考になるサイトをいくつかリンクしておきます。
アレルギーポータル
食物アレルギー研究会 など詳しいです。

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