当院では、経口中絶薬メフィーゴ®パックを取り扱っています。1剤目(ミフェプリストン)で、受精卵の成長をストップさせ、2剤目(ミソプロストール)で子宮収縮をおこし、胎嚢を排出させます。この薬の使用は、母体保護法に基づき指定された医師が所属する医療機関でのみ許可されております。院外(=自宅など)での内服はできません。
そのため、当院での処置は以下のようにおこなっています。:
- 妊娠反応の陽性確認。
- 子宮および卵巣の異常がないかを検査し、子宮外妊娠の否定と子宮内の胎嚢の確認。
- 母体保護法に基づく適切な手続きを経て、外科的な処置が必要となる可能性(約5%)に備えた術前検査(採血等)を実施。1剤目の薬を内服するための来院日を設定。
- 1剤目の来院日に来院(診療時間内)。同意書を確認後、指定医の指示と監督のもとで内服。
- 1剤目内服後36-48時間(1剤目を内服した日の次の次の日の朝8:30-9:00)で再来院していただき、2剤目の薬を指定医の監督のもとで内服。これにより、生理痛または陣痛のような痛みがおこり、当院の実績では、平均3-6時間で胎嚢が排出されます。超音波での確認と経過観察を行い、問題がなければ帰宅。ただし、排出までに出血が多くなった、24時間経過しても排出が未完了(約5%)などの場合は、静脈麻酔+傍頚管ブロック下での手動真空吸引法による手術が必要です。
- 胎嚢排出後、1週間後を目安に再診。
経口妊娠中絶薬は、麻酔や手術によるリスクを伴わないことが利点ですが、以下の点が欠点として挙げられます:
- 来院が必要な回数が多く、また、医院での滞在時間が長くなること。
- 生理痛や陣痛のような痛みが生じること。
- 一剤目の内服後に出血があり、状況によっては来院が必要になること。
料金については、手術前の検査(超音波、採血など)が15,000円、薬の内服と必要な処置が100,000円です。この料金には、5%の患者が必要とする手術的な処置も含まれます。
従来の手術療法(=静脈麻酔+傍頚管ブロック下での真空手動吸引法)と比較、検討していただき、ご自身で選択していただければと思います。
その際に参考となるサイト
厚生労働省:いわゆる経口中絶薬「メフィーゴパック」の適正使用等について
メフィーゴパックの販売元、ラインファーマ社の一般の皆さまへ
があります。以上、よろしくお願い致します。