子宮頸がんワクチンについて

令和2年10月9日付で、厚生労働省健康局長よりヒトパピローマウイルス感染症に係る定期接種の対象者等への周知について
https://www.mhlw.go.jp/content/000680905.pdf
という通知がでています。

子宮頸がんワクチンが小学校6年生から高校1年生を対象であることを周知するようにという勧告です。
例えば、千葉市では個別に

ヒトパピローマウイルス感染症(HPVワクチン)(子宮頸がんワクチン)の定期予防接種について
対象 小学校6年生から高校1年生相当年齢の女性
現在高校1年生相当の方(H16.4.2~H17.4.1生まれ)は令和3年3月31日までが定期接種期間(無料)です。令和3年3月31日を過ぎた場合は任意接種(有料)になります。
接種スケジュール等については、下記のスケジュールを参考にして接種医にご相談してください。
接種スケジュール例      1回目       2回目      3回目
ガーダシル(4価ワクチン)   11月 1か月以上 12月 3か月以上 3月
以下略

という手紙が個別に送られています。

厚生労働省の ヒトパピローマウイルス感染症~子宮頸がん(子宮けいがん)とHPVワクチン~のページを見ていただき、
対象年齢の方は予防接種を検討していただきたい、と思います。

高校1年生の方は、11月に接種を開始すればぎりぎり間に合います。
接種希望の方は、保健センターに電話をかけていただき、問診票をもらってください。
また、当院で接種希望の方は予約の電話をお願いいたします。

子宮頸がんはワクチンで防げるがんであり、
スウェーデンでの研究では、定期予防接種の年齢で接種した場合に浸潤子宮頸がんのリスクが大幅に減少した結果がでています。
HPV ワクチン接種と浸潤性子宮頸癌のリスク

ワクチンの安全性については、日本産科婦人科学会の
子宮頸がんとHPVワクチンに関する正しい理解のために のサイトをみていただきたいです。

3)HPVワクチンの安全性はどう評価されているのですか?
HPVワクチンは接種により、注射部位の一時的な痛み・腫れなどの局所症状は約8割の方に生じるとされています。また、注射時の痛みや不安のために失神(迷走神経反射)を起こした事例が報告されていますが、これについては接種直後30分程度安静にすることで対応が可能です。
平成29年11月の厚生労働省専門部会で、慢性の痛みや運動機能の障害などHPVワクチン接種後に報告された「多様な症状」とHPVワクチンとの因果関係を示す根拠は報告されておらず、これらは機能性身体症状と考えられるとの見解が発表されています。
また平成28年12月に厚生労働省研究班(祖父江班)の全国疫学調査の結果が報告され、HPVワクチン接種歴のない女子でも、HPVワクチン接種歴のある女子に報告されている症状と同様の「多様な症状」を呈する人が一定数(12〜18歳女子では10万人あたり20.4人)存在すること、すなわち、「多様な症状」がHPVワクチン接種後に特有の症状ではないことが示されました。さらに、名古屋市で行われたアンケート調査では、24種類の「多様な症状」の頻度がHPVワクチンを接種した女子と接種しなかった女子で有意な差がなかったことが示されました。HPVワクチン接種と24症状の因果関係は証明されなかったということになります。
これまでに行われたHPVワクチンに関する多くの臨床研究を統合解析したコクランレビューでは、HPVワクチン接種によって短期的な局所反応(接種部位の反応)は増加するものの、全身的な事象や重篤な副反応は増加しないと報告されています。WHOも世界中の最新データを継続的に評価し、HPVワクチンの推奨を変更しなければならないような安全性の問題は見つかっていないと発表しています。

世界中で子宮頸がんワクチンは安全性に問題がないとされ、子宮頸がんはワクチンによって大幅に減少する、と予測されています。

よろしくお願いします。

 

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